忠犬彼氏。
「それでこそ璃子先輩ですね」
なんだかなぁ……。
本当に時々、柴の方が大人に感じる。
悔しい。
「今日の所は解散、じゃ」
「放課後また行きますねー!」
「来なくていい」
このやりとりの心地よさを、気のせいだと嘘を吐いた。
「璃子どうなってんのかなぁ」
「璃子にゃんのことだから誰かから告白されてたりして!」
コイツら私が戻ってきたこと、気づいてねー。
「ありうるー!」
「柴にゃん嫉妬してるって、ギャハハ!」
「言わせておけば好き勝手に……その口、縫いつけたろうか」
「わ、璃子!」
「いつから!?」
「今さっきだよバカ」
本当に何の話ししてんだか……。
嫉妬なんてするはず……。
あ、してた?あれ嫉妬?
うーん……わからん。
まぁもとから私に男心なんてわかるわけないけどさ。
「で、さ……どうだったわけ?
柴君とのランチは」
コイツ、絶対楽しんでやがる。