忠犬彼氏。
恋い焦がれ、純粋に貴方を想っていた。
今でもそのことを想うと胸が高鳴る。
ズタズタにされて、傷つけられてもその想いだけは、綺麗なまま。
『璃子』
私を呼ぶ声が私を狂わせるんだ。
「まさか璃子……」
きっと華音の想像通りの人。
華音と美那都だけに打ち明けた私の過去の人。
「辛気くさい空気はんたーい!」
「み、美那都!あんた本当に空気読めな……」
「華音、いいんだよ」
むしろそのKY、助かるから。
「……璃子がいいんなら構わないけどさ」
華音はまだ腑に落ちない顔をしている。
本当に華音は友達思い。
胃痛で入院とかやめてよね。
いつか本当にしそうだし……。
「美那都と華音がいるんだから、問題なくない?」
重い空気が嫌いな美那都と
友達思いで心配性な華音。
あんたらのソレがきっといい具合にバランスを保ってんだよ。