忠犬彼氏。


先輩って?

「先輩って、ダレ」

「璃子先輩!しっかりして下さい!
俺ですよ羽柴稟汰です!」

羽柴、稟汰……。

「し、ば……?どうかした?」

「先輩……覚えてないんですか?」

わからない、私、何考えてたんだっけ?

「わからないなら、多分それでいいです」

曖昧な答え。
意味が分からない。

「何言ってんの?っつか来るの遅い!」

「でもそういいつつもちゃんと待ってくれてましたよね」

私、柴を待ってる間、何してたっけ?
んー……寝てたとか?

「バカ」

「まぁ、帰りましょうか」

「何でアンタがそんな偉そうなんだよ
私のが偉いんだけど」

何度もしつこいけど、主導権はこの私にあるんだから!

「忠犬な俺は璃子先輩について行きますね」

「自称忠犬だろ」

誰もまだアンタを完全なる忠犬だなんて認めてない。

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