忠犬彼氏。
┣これはただのご褒美だ
「先輩デートして下さい!」
いつも以上に必死にお願いしてきた。
異常だ。以上だけに……。
あ、つまらなかった?
異常と以上をかけてだね……って今はそんなこったどうでもいい。
大事なのは吃驚しすぎて私の大事な大事なデザートの苺が落ちてしまったことだ。
「何しとんじゃコラァァ!!」
ちゃぶ台返しをする勢いで柴に怒鳴った。
「苺!苺返せ!」
苺高いんだから!
「わかりました……お詫びにデートしましょう」
「詫びってねぇからソレ」
か、確信犯!?って訳じゃなく偶然だったようだが、上手く利用しよって……。
「まじでお願いしますって!」
顔の前で手をパンッと合わせ必死に頼み込んでくる。
あ、気持ちいいかも。
いっそ土下座させようかな。
「何企んでる」
しかしこんな本気、何か裏があるとしか思えないな。
「た、企むだなんてそ、そんなこと」
「お前も充分隠し事に向いてねぇよ
さっさと吐け」
「や、嫌です!デートするって言ったら言います」
「ほう?柴の癖に、犬の癖に条件だそうって?」