忠犬彼氏。
「嫌なら離すけどどうする?」
「い、嫌じゃないですけど」
「けど?」
「カレカノみたいですねって」
カレカノ……。
「んじゃあ離す」
「嫌あのちょっ、待っ……」
「離してほしくないんだったら余計なこと言わないの」
なんか結構2人でいること多いからあんまりデートっつ感じしないな。
学校の延長みたいな。
「で、まずどこ行くのさ」
「まずは無難に映画です!何か話題の恋愛系のあの映画が割と面白いらしいんですよね」
「ふーん」
柴そういうの見るんだ。
「あ、いやあの……先輩と一緒、だからですよ?」
「それは何のフォローだよ」
別にそういうのはどうでもいいんだよな、正直。
ま、柴には悪いけどさ。
「いえ……あ、でも別に変えても」
「いいよ、別に。私なんかに気ぃ使わないで」
「いや、でも先輩絶対気を使わないと帰っちゃいそうじゃないですか」
「おーよくわかってんね偉い偉い」