忠犬彼氏。


「嫌なら離すけどどうする?」

「い、嫌じゃないですけど」

「けど?」

「カレカノみたいですねって」

カレカノ……。

「んじゃあ離す」

「嫌あのちょっ、待っ……」

「離してほしくないんだったら余計なこと言わないの」

なんか結構2人でいること多いからあんまりデートっつ感じしないな。

学校の延長みたいな。

「で、まずどこ行くのさ」

「まずは無難に映画です!何か話題の恋愛系のあの映画が割と面白いらしいんですよね」

「ふーん」

柴そういうの見るんだ。

「あ、いやあの……先輩と一緒、だからですよ?」

「それは何のフォローだよ」

別にそういうのはどうでもいいんだよな、正直。
ま、柴には悪いけどさ。

「いえ……あ、でも別に変えても」

「いいよ、別に。私なんかに気ぃ使わないで」

「いや、でも先輩絶対気を使わないと帰っちゃいそうじゃないですか」

「おーよくわかってんね偉い偉い」

< 92 / 204 >

この作品をシェア

pagetop