忠犬彼氏。
「もう、バカにしないで下さいよー」
「悪い悪いつい、ね」
「ハグしてくれたら許します」
「じゃあ許さなくていいや」
「あ、嘘でーす」
「あっそ」
「え、冷たいっ」
腕は辛うじて組んでいるものの、2人の温度差はハンパなかった。
「流石絶対零度なだけありますね」
「は?」
そういや久しぶりに聞いたなそんなの。
「まぁでも先輩結構優しいですけど」
「なっ……何言って!?」
「あはは、先輩顔あかーい!かわいいー」
「おまっ誰に向かってそんな口利いて……」
顔が赤いは事実。
だからそんな風に怒ったって怖くないはず。
でも、怒るしかないじゃん。
「璃子…………先輩です」
「あ、あ……そう」
吃驚した。
璃子って呼び捨てにされたのかと思っちゃった……恥ずかしい。
それよりも……。