眠り王子×無関心姫②【完結】
手紙を読む間は、部屋のなかをテレビの音だけが包んでいた。
すごく、静かだった。
「………はあ。」
「なんて?」
……言いたいもんじゃないなあ。
「……読む?」
玲が読めないことを分かってて、そう言う。
あたしってめんどくさい女だ…。
「読めねぇもん。」
「うん。知ってる。」
「舞憂、ドイツ語読めんの?」
「まあね。」
「なんで?」
「…ドイツ人の血も流れてるし。」
あたしは、多国籍人間だからなー。