眠り王子×無関心姫②【完結】
だってそれじゃあ、楊杞を一番苦しめてたのはあたしってことだ。
楊杞が軽穂の話をするときはいつも、幸せそうな笑顔だ。
“好き同士なんかじゃない”ってことを前に言ってたけど、こういうことだったんだ…
楊杞は間違いなく、軽穂のことが好きだから…
本気で、好きだから…
「もう、いいや。」
「舞憂?」
もうどうでもいい。
あたしがいる限り、楊杞は幸せになれないし。楊杞を守れない。
「軽穂、お願いがある。」
一生のお願い。これは楊杞には頼めないし、玲にも…頼めない。
「あたしを、いまここで殺して…?」
お願い、今すぐ。