眠り王子×無関心姫②【完結】
母さんが戻ってきてから、お見合いのことを聞いてみた。
『ああ、そえよね。』
ん?
なんだか歯切れが悪い。
『…あのお見合いはお断りしたわ。』
『そっか…』
『舞憂、たくさん謝らなきゃならないことがあるの。』
なんだろ。
『今回舞憂があっやお見合いは、私が勝手に決めてしまったことだったの。』
え?どういうこと?
『会社も関係なく、私が決めたのよ…』
『それって…』
『政略結婚でもなんでもなかったの。』
…それって、あたしがもしあいつと結婚してても桜井のためにはなって無かったってこと?
『私が、どうしても日本旅館とのつながりがほしかったから…。ごめんなさい。』
『旅館?なんで?』
そりゃあ旅館とかは日本にしかないものだけどさ…
別に良くない?なくても。
『私ね、幼いころ日本に住んでいたの。その時、旅館を経営してる人にお世話になってたのよ。私が実家に帰ってからしばらくして、彼らは亡くなって、その旅館も無くなってしまったわ…。でもどうしてもあの居心地の良い空間に帰りたくて。いつかは旅館とのつながりがほしいと思ってたの。…私が、唯一自分からほしいと思ったものだったのよ。』