眠り王子×無関心姫②【完結】
「父さんも驚いてたさ。まあ、怒っては無かったけど。」
「…へえ。」
「でも、俺は違うよ、舞憂。」
ギシリ、とベッドが音を立てる。
「な、」
「俺はあの人が許せなかった。」
「………。」
「まあ、見合いは白紙にしたわけだけど。」
ふ、とベッドにかかっていたシンの体重がなくなる。
「なんのために白紙にしたのか、分かる?」
「…知らな、い。」
シンが放った答えは、あたしの想像とは違った。
「舞憂に新しい婚約相手を見つけたから。」
シンの目は笑ってなくて。
冗談じゃないことくらいすぐに分かった。
今回こそは、どうなっても破棄できないお見合いなわけだ。