眠り王子×無関心姫②【完結】
お見合い当日。
母さんと父さんに挟まれて、おっきいホテルに来た。
『舞憂、失礼のないようにね?』
『分かってる。』
父さんはあたしと目が合うと薄く微笑むだけで何も言わない。
でもそれが、余計にあたしにプレッシャーをかける。
“この話が上手くいかなかったらどうなるか分かってるだろうな”みたいな。
………めんどくさ。
ホテルマンに案内されて、最上階らしい部屋に行く。
最上階とか…どんだけ金かけてんだって話。
『失礼します。桜井です。』
父さんがそう言って、ドアを開けた。
『こんにちは。』
「……こんにちは。」
部屋の中にいたのは、厳しそうな男の人とキツめの雰囲気の女の人。
それと、微笑みを浮かべた若い男の人だった。