眠り王子×無関心姫②【完結】
明羅さんはなんとなく俺の答えが分かってたみたいで、深く追及はしなかった。
抜ける、って言ったときには驚かれたけど。
引退と一緒に抜ければフルボッコも免れるし。
あんまりボロボロじゃ、舞憂を迎えに行ったときにカッコつかねえ。
「ああ、そういえば。」
「なんすか?」
「三日後、舞憂さんがこっちに戻ってくるみたいだぞ?」
「え………。」
なんで明羅さんがそんなこと知ってんだ?
「組が調べた情報なんだよ、」
苦笑いしながら言う。
「日本着の飛行機のチケットを取ってる。2枚だ。多分、親もくるんじゃねえか?」
親も……?
なんでだ?本格的に海外に住む、のか…?
「……お前、知らねえのか?舞憂さんの実家のこと。」
「…明羅さん、知ってんすか。」
なんでだよ。
舞憂はそんな話し、しなかった。
「……身元もわかんねえような女を組に出入りさせると思うか?」
あ…
そうか。
「調べたんだよ。別に、隠されてもなかったしな。………聞くか?」
舞憂からじゃなくて、明羅さんから…
そんとき初めて舞憂のことを知った気がした。