眠り王子×無関心姫②【完結】
まさか。まさか舞憂だとは思ってなかった。
桜井家ってのは親父の会社より格段にでかい。
世界で力をふるう、一大企業だ。
「……ほう、やるのか。ならばやるべきことは分かってるだろう?」
家を抜け出す暇はない。
マナーを一から徹底的にやり直す。
嫌々やってるんじゃ間に合わない。
「……井上、俺、やるよ。」
舞憂の見舞いにも行かず、ずっと勉強とか家の事情を教わったりとか。
もう、すぐにあるであろう見舞いに備えてた。
――――――…
「で、今ここにいるってこと。」
舞憂と結婚したかった。
一生を一緒に過ごすのは、舞憂以外考えられない。
それが、こんな願ってもない形で出来るんならこれ以上はありえない。
「……舞憂、俺が幸せにするよ。」