百もの、語り。
プロローグ
とある学校の、とある教室。
そこに集まった100人の人間。
「さて、みなさん。
蝋燭は行き渡りましたか?」
1人の少女が辺りを見回す。
「大丈夫なようなので、
それでは始めましょう」
そこで仕切り直すように咳払いをひとつ。
「お集まりいただいた皆様、
許可と引率を引き受けてくださった先生
本当にありがとうございます。
今から蝋燭に火を灯しましたら
電気を消します。
それから1人1つ、話をしてください。
内容は、怪談でも噂話でも都市伝説でも
どんなジャンルでも結構です。
それが不可思議な話ならば。
……そうですね、丁度ドアの前にいる
貴方から、で、いいですか?」
少女の問いに、そこに居た生徒は頷いた。
「それではみなさん、蝋燭に火を……」
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