百もの、語り。
ドンドンって、いつも通り壁を叩かれて
それを聞いたら、さすがに兄も
『うるさいな』って、
頭にきたみたいで、壁を叩き返したんです
そうしたら音は止んで、
あ、気づいてもらえたのかな。
これで大丈夫かな。
そう、思ったんです。
でも今度は窓が、
ガンガンガン!って、
凄い勢いで叩かれ始めたんです。
ベランダがあるから、
やろうとすれば出来るんですけど、
何でそこまでするんだって、僕は気味が悪かったです。
でも兄は違ったみたいで、
文句を言おうと窓へ近づきました。
そしてカーテンを開けて……。
窓には、たくさんの手形がついていました
泥、だったんだと思います。
明日拭かなきゃなと思う僕と、
いますぐ文句を言おうとする兄。
もちろん行動が早いのは兄でした。