百もの、語り。
ここで引き返すにしても、
後ろから襲われたらどうしよう。
さっきの脇道の先は、行き止まり。
どこかの家に上がらせて貰えればいいけど
駄目だったら、逃げ場はない。
……とりあえず、家に電話しよう。
迎えに来てもらおう。
そう思いました。
電話に出たのは弟で、
丁度家に居た兄と一緒に、
ここまで来てくれるとの事でした。
怪しい人物を見つけたら
すぐとっ捕まえてやるとか、
そんな頼もしい事も言っていました。
だから安心して待っていると、
すぐに2人は脇道から顔を出しました。
……誰かの手のある場所よりも、
少し、先の方から。