百もの、語り。


そして2人が私の方へ歩いてきました。


狭い道なので、
手の伸びている脇道を通り過ぎる時、
2人の姿で脇道は見えなくなりました。

その見えなくなった数秒の間に、
手も、脇道も、どこかへ消えていて……。



家に帰ってから気が付いたんですけど、
手が出てくる前から、脇道は見えていたんです。

通っていた道よりも、
さらに暗い、曲がり角が。


もしも手が出ていなくて
私があの道を通っていたら。

そうしたら、私、
一体どこへ行っていたんでしょうね。






フーッ


46本目の蝋燭が消えました。


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