百もの、語り。
47.呼んでる
私の姉が、夕方、人気の無い道を
1人で歩いていた時の事だそうです。
後ろから、姉を呼ぶ声が聞こえました。
でも、振り返ってみると誰も居ません。
空耳かなぁと思いながらまた歩き出すと
少しして、また姉の名前が呼ばれました。
でも振り返ると、やっぱり誰も居ない。
姉が進んでも声の大きさは変わらないから
後ろを歩いているはずですよね。
そこは建物も少なくて、
人が隠れられる場所なんてないんです。