百もの、語り。
名前を呼ばれ続けながらも、
姉は歩き続けました。
時々、振り返りながら。
そしてようやく曲がり角まで出ると
そこで立ち止まり、
相手を待ち伏せしようと決めました。
変わらず姉の名前を呼び続ける誰か。
息を殺し、相手が曲がるのを待ちます。
少しすると追いついた相手の影、
それに続いて相手の姿が見えました。
その声の主は……狸だったそうです。
狸は姉の姿を見ると、
一目散に逃げて行ったそうですよ。
ふっ!
47本目の蝋燭が消えました。