百もの、語り。
50.泣き声
俺には、幼馴染がいるんです。
そいつは俺よりも学年が1つ上で、
怖がりで、よく泣いていました。
泣く理由は大体が、怖い物を見たとか、
怖い話で誰かにからかわれたとか
そういう絡みの事です。
そしてこの話は、
俺がまだ小さい頃の話です。
その日は、俺はたまたま1人で、
近所の子供みんなで作った、
藪の中の秘密基地に行っていました。
そこもまた、幽霊が出ると噂の場所で
面白がって作ってはみたものの、
長居する奴はあんまりいなかったんです。
段ボールで作った部屋と、
元々あった木の窪みに
ドアとして板を立てかけた部屋。
そこに、色々持ち込んで、
隠れ家というより、隠し場所でした。