百もの、語り。
でもさ、流石に、無いじゃん?
だから弟か何かかなーって思ったんだ。
でもさ、そいつ言ったんだ。
『遅いよ』って。
笑って言うんだ。
待ちくたびれたって。
だから俺もさ、
ごめんな。遅くなった。
なんかよくわかんないけど、
そう返したんだ。
それで、
一緒に飛ばそう。
競争するんだろう?って言われて、
ああ。じゃあちょっと待ってくれって
飛行機を飛ばし返して、
折り紙は持ってないから
ルーズリーフで作ったんだ。
じゃあ飛ばそうって、
俺も滑り台に上ってさ。
あれ、こんなに小さかったんだなって
自分の成長っぷりを改めて実感したんだ。
で、飛ばした。
2つとも、今まで見た事無いぐらい、
ずーっと遠くまで飛んで行った。
それを目で追ってたんだけど、
ついに、見えなくなっちゃって、
すごいなーって言ったら、
あいつも『すごいね』って言ったんだけど
そいつの居た所見たら、誰もいなくてさ。
で、下から園長先生が怒鳴ってた。
アンタ何してんのって。