百もの、語り。

58.白い足



ふと振り返ると、
白い足が見えるんです。


幽霊には足が無いとか、そういう話ありますよね。

だったら足だけのそれは、
一体何なんでしょうか。



その足はとても綺麗で、
多分、女の人だと思うんです。


スッと床から伸びていて、
でもその上を見ようとすると
瞬く間に消えてしまっているんです。


いつも突然現れるその足に、
多分、私、恋をしてるんです。


だってとても、美しいから。






ふーっ


58本目の蝋燭が消えました。



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