百もの、語り。

66.空



空を、見上げてたんです。


特に理由も無くに、なんとなく。


そうしていたら、雨が降ってきて。

ぽたり、ぽたりと。
弱い調子で。



雪が降ってたら食べたくなるみたいに、
なんとなく雨を飲みたくなって、口を開けたんです。

飲み込んだ水滴はしょっぱくて、
じーっと空を見ていたら、雲の合間に目が見えました。


それで、

ああ、空が泣くってこういう事か


そう思いました。







フーッ


66本目の蝋燭が消えました。


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