百もの、語り。
71.花壇
それじゃあ私は、
2つ目のお話をしますね
中庭の花壇には、
夜になると手が生える。
それが2つ目のお話です。
誰も居なくなった学校に、
忘れ物を取りに来た少女。
近道をしようと、
校庭から入り、
中庭を通っていたそうです。
何か蠢いている物が目に入り、
それの方を向いてみると、
そこには手が。
土の中から這い出そうと、
もがいていたそうです。
その話を聞いてから、
私は園芸部に入りました。
シャベルと軍手を
常時持ち歩いています。
もちろん、その手と遭遇した時に、
いつでも掘り返してあげられるようにね。
フーッ
71本目の蝋燭が消えました。