百もの、語り。

71.花壇



それじゃあ私は、
2つ目のお話をしますね


中庭の花壇には、
夜になると手が生える。


それが2つ目のお話です。

誰も居なくなった学校に、
忘れ物を取りに来た少女。

近道をしようと、
校庭から入り、
中庭を通っていたそうです。


何か蠢いている物が目に入り、
それの方を向いてみると、
そこには手が。

土の中から這い出そうと、
もがいていたそうです。



その話を聞いてから、
私は園芸部に入りました。


シャベルと軍手を
常時持ち歩いています。

もちろん、その手と遭遇した時に、
いつでも掘り返してあげられるようにね。





フーッ


71本目の蝋燭が消えました。



< 176 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop