百もの、語り。
最後に憶えているのは、
ボールからの強い視線。
多分あれはボールじゃなくて、
誰かの、頭だったんでしょうね。
もしかすると、
バスケをしていた誰かの。
そう思ったのを最後に、
私の意識は途切れました。
次に気が付いたのは、
朝練に来たバスケ部の部員が、
心配そうに私の顔を覗き込んでいる時でした。
もしも誰か、あの噂を見に行くのなら、
よく弾むボールでも差し入れてあげてください。
あれ、かなりへこんでいましたから。
と、いうより、
弾んでいたのが不思議ですね。
フッ
72本目の蝋燭が消えました。