百もの、語り。
77.泣き虫
小さい頃に、泣いているといつも
『泣き虫がつくよ』
おばあちゃんは、そう言いました。
すると、なんだか嫌な想像をして
私はすぐに泣き止んでいました。
あれは私がまだ幼稚園位の時。
おばあちゃんは病気で入院して、
やっと家に帰ってきた時はもう、
冷たくなってしまってました。
おばあちゃんっ子だった私は、
もちろん大泣きです。
何時間経っても泣きっぱなしな私に、
色々と忙しい両親は呆れて、
手続きなんかをしている間、
放っておかれていました。
その内に泣き疲れて、
いつの間にかウトウトとしていたんです。
目が覚めて、起きようとしたら
背中に何かが乗っかってて動けない。
両親を呼ぼうにも違う部屋だし、
背中の重みで声が出ませんでした。
乗っかっているのは、一体何なんだろう。
首だけで振り向いてみました。