百もの、語り。
するとそこには、大きな、泣いている虫が
……これが泣き虫?
泣き虫は、床に落ちた私の涙を、
長い口を使って啜っていました。
それが無くなると、
今度は服に染み付いた所に。
少しずつ、顔へ近づいています。
まさか、最後は目に……?
怖くなった私は暴れましたが、
泣き虫はびくともしません。
そうしていると、突然背後から
『こら!』と、怒鳴る声。
続いて、背中の泣き虫を叩く音。
すぐに体は軽くなりました。
あの声はおばあちゃん。
追い払ってくれたんだ!
安心した私の涙はようやく止まり、
すぐにまた、眠りにつきました。
それ以来私が泣く事は、
断然少なくなりました。
だけど泣いちゃう時には、
背後に物凄く気を使っています。
だってあんなのに、
もうつかれたくありませんから。
フーッ
77本目の蝋燭が消えました。