百もの、語り。
4.後ろ向き
これは、私が先週体験した話です。
部室の掃除をしていて、
帰りがいつもよりも遅くなってしまい、
暗い道を、友達とも途中で別れ、
1人きりで、歩いていました。
早く家に着かないかな……。
いつもより少し速度を速めて
家路を急いでいました。
すると、少し前方に、
人が歩いているのを見つけました。
服装からすると、若い女性です。
知らない人でも、誰かが居ると
ちょっと安心できませんか?
私もほっとして、少し足を緩めました。
でも少しして、
その人との距離が狭まっているのに気づきます。
足の遅い人なのかな?
そう思いましたが、それにしても
距離はどんどん、縮まっています。
そして気づきました。
暗くてよく見えないけど、
あの人、後ろ向きに歩いてない?