百もの、語り。


そんなある日です。

少年が居なくなりました。

隣を見る少女も居ません。



少年の部屋には、
鏡がいくつかありました。

それを使って、
少年は少女を、ずっと見ていたのです。

自分をみる彼女を。
覗き穴を使って。


美しい少女に憧れて。



彼女になりたいと
そう思って、ずっと見ていました。


その欲望に耐えきれなくなった日。

少年は少女と入れ替わってしまいました。


自分が少女に。
そして少年は居なくなりました。


……元の少女はどうしたかって?


除き穴の中ですよ。






ふーっ


84本目の蝋燭が消えました。


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