百もの、語り。
だけど年々、クレヨンを塗った場所。
白く抜かれている場所の形が
変わってきてるんだ。
ただ絵の具が色褪せてきてるんならいいんだけど、
その形が段々、人に見えてきてるんだ。
絵の具の色は青いから、
もう空には見えなくて、
海に浮かんだ水死体?
そんな感じに見えてきてる。
しかも人に見える数が、
同じく年々増えてきてるんだ。
大きい人影は2つ。
小さい人影は3つ。
うちの家族の人数と同じ数に。
小さい3つは、少しずつ、
成長するように大きくなるし。
気味が悪いんだけど、
母さんが捨てさせてくれないんだ。
前に黙って破こうとしたら、
紙の端で手を切っちゃって、
何故かクレヨンの上に血が乗っかるし。
それで余計、気色悪くなっちゃった。
本当、どうしたらいいんだか。
フーッ
86本目の蝋燭が消えました。