百もの、語り。
……でも、そこには何も無かった。
不満げな弟と家路に向かう途中、
いい匂いを漂わせる焼き鳥の屋台が。
じゃあ代わりにあれ買ってやるよと
肉好きの弟に言うと、一転、機嫌は直った
屋台のお兄さんは、俺を見て
一瞬はっと、目を見張りました。
その時は何も気にしなかったけれど、
帰宅途中、まさかの可能性を思いついて
俺は自分の分の焼き鳥もすべて、
育ちざかりの弟にあげました。
……喜んでいたから、まあよしとしたいです。
ふっ
5本目の蝋燭も消えました。