百もの、語り。
「しょうがないだろ。
見ようとしたら、
プレーヤー壊れたんだから」
「余計見たくない!」
そう叫びながら、
クッションに顔を埋めた少年は、
ふと思い出したように尋ねた。
「そういえばさ、
居なくなった人、
全員帰ってきたんだって?」
「ああ、ほぼ全員、無事に帰ってきた」
返答に、少年は複雑な表情だ。
「……ほぼ……?」
しかし詳しく聞くのは、
怖がりな自分には向かないと、
少年は再びクッションを持ち耳を塞いだ。
そしてテレビには、
暗い画面が映し出され始めた。
【後日談・終】