百もの、語り。
選択027
気がついたら、何も無い場所に居た。
さっきまでいた、
たくさんの人も、蝋燭も無い。
本当に何も無い場所に座っている。
そして目の前には、
死んだはずのアイツが居た。
こっちも、
自分が死んだのかと驚いたけど、
向こうも驚いているようだった。
「……死んだの?」
彼に問いかけてみると、
困ったように笑って言った。
「わかんない」
状況は解らないけど、
とりあえずまた会えたから。
とりとめのない話を
いつまでも、2人でし続けていた。
よく解んないけど、
疲れも眠くもならなくて、
ずっとこうしていられたら。
そう思った。