百もの、語り。
一段落して、
家に帰って、寝た。
なんかよく解んないけど、
無性に疲れていたらしい。
数時間経った頃に、
俺はいつものように金縛りで目が覚めた。
足元には、やっぱり奴が居た。
……そういえば、数日間。
まさかずっとコイツと居たのか?
嫌な想像を巡らせていると、
何故だか頭に声が響いてきた。
『やっぱ生きてる人間じゃないと
つまらないだろ』
……変態だ!
とにかく俺はそう思って、
気合いで金縛りを解こうと必死になった。
このままじゃ何されるか解らないし!
そうしている内に、足が動かせたんだ。
いい感じに相手の顔にあたって、
『痛っ!』みたいな顔して、奴は消えた。
へー、幽霊って蹴れるんだ?
俺はそう思って、
今度から追い払おうと決めた。
だけど次からは、奴もなんか
技とかかけてきて対抗してくるもんだから
俺は空手部とか柔道部とか
プロレス、ボクシング、キックボクシング同好会に仮入部をしまくる事になるとは
その時の俺は、知る由も無かった。
【選択023・終】