百もの、語り。
別に熱中しているという訳でもなく、
なんとなく眺めていると言った風なその画面。
恐々とこちらを見る、
知らない誰かの姿が映っていた。
「このテレビはさ、俺たちみたいに
呪いのビデオを見てる奴が見えるみたい」
そう説明されると、
確かにあの日の俺たちのような表情だ。
「で、これ見て何してんの?」
「いや別に、なんもしないよ。
他の番組も見れるしね」
そう言いながら、
どこからかリモコンを取り出し、
テレビに向けてボタンを押した。
すると、
見覚えのあるタレントが映った。
普通の番組も見れるらしい。