百もの、語り。
選択043
風が気持ちいい。
ここは、祖父ちゃんの所だろうか。
橋の近くの、いつも走り回る草っぱら。
そこに俺は寝転んでいた。
あ、ここなら、あの子いるよね!
気が付いた俺は起き上がり、
彼女が居ないか辺りを見回した。
そしたらやっぱり。
着物姿の、可愛い可愛い女の子!
いつものように、俺は彼女に声をかけた。
「ねえ、一緒に遊ばない?」
小さい頃は無邪気だったけど、
今じゃ傍から見たらナンパにしか見えないだろう。
まあ彼女も俺も、
そんな事気にしてないけどね!
今はこの辺、誰の姿も見えないし。