百もの、語り。
1.石
私は昔、石を集めるのが好きでした。
それは綺麗な、お店で売ってる物でも
道端に落ちている石ころでも、
どちらでも構わず、収集していたのです。
ある夏の日、キャンプに行きました。
川のあるキャンプ場で、
そこは私にとっての天国でした。
なんせ、石が本当にたくさん、
あったのですから。
両親がバーベキューのために
火を起こしている間、私と妹は
川で遊んでいる事にしました。
妹も石が好きだったので、
どちらがより良い石を見つけられるのか
競って川の底に目を凝らしていました。
どれがいいかとじーっと観察していると
キラキラと光る水の中に、
違う光を見つけたのです。
どうやら、何かが太陽光を反射して
まるで自身が発光しているかのようでした
それを拾い上げてみると、とても白い石で
私はこれだ!と、思いました。
妹に自慢げに見せましたが、
何故だか嫌そうな顔をして、
『それ、捨てなよ』と、そう言いました。
私は折角拾ったのだし
こんなに綺麗な石、今まで見た事無い。
絶対にこれは持ち帰って、
コレクションに加えなきゃと、決めました