百もの、語り。
10分ほど経った頃でしょうか。
怪しげなおっさんが、
俺たちに近づいてきました。
『君たち、何してるの?』
荒い息遣いで、どう考えても変質者です。
逃げる?
でも、コイツどうする?
2人で目で会話していると、
今まで喋らなかったのに、その子が、
『コイツが私を殺したの!』
と、そう叫びました。
確かにこのおっさん、
犯罪犯しててもおかしくないな。
そう思った俺たちは、叫びました。
面白半分で。
『変質者―!』
『誘拐犯!誰か助けて!』
幸いな事に、集団下校の引率を終えて
学校に戻る途中の先生たちが通りがかりました。
そしてそのおっさんは捕まり、
本当に誘拐犯で、殺人犯だった事が解りました。