百もの、語り。
11.鏡
私のお姉、服とか大好きなんだ。
それで後ろもしっかりチェックしたいから
大きい全身が映る鏡を2枚持ってるの。
それで出かける前に、
最終確認するのが癖なんだけど。
ある日、誰かの視線感じたんだって。
合わせ鏡でなんとかかんとかっていう
昔聞いた話を思い出して、
お姉、怖くなったんだけどさ
『後ろの鏡から正面の鏡に映った
自分と目が合っただけだったよー』って
笑ってたの。
映る角度が変わるから、
何か変な感じしたんだねって言ってた。
その後、鏡見たら、
確かに自分と目が合って、
ついでだから笑顔の練習までしたんだって
でもさ、合わせ鏡って
背中側が確認出来るはずじゃないの?
まあ、お姉ちょっとおバカだから
何周かした自分と目が合ったって
そういう事だったのかもしれないけどね。
ふーっ
11本目の蝋燭が消されました。