百もの、語り。
そしてまたいくつかのドアを開けた後だ。
ある部屋で見つけた紙をA君が読み上げた
『うしろ』
A君は確かにそう言った。
すると、足音が聞こえてきた。
何人もの、走ってくる音だ。
他の誰かが居たのなら、
突然聞こえるのはおかしいだろう?
それで怖くなった俺たちは、
今度はもう耐えきれなくて
この場を逃げ出そうとした。
でも、前にも横にも、ドアは無い。
だけど窓ならあった!
俺も含めた4人はそこから飛び降りようとしたんだけど
A君は、こちらにこようとしなかった。
だから兄ちゃんとB君が手を引いたんだけど、それを振り払った。
振り払われた時に、
A君の持ってた紙が部屋と窓の外にも
バラバラと舞った時、部屋に何かが入ってくるのが見えた。
限界だったから、仕方なく、A君は置いて、皆で飛び降りたんだ。
そこからは誰も止まらず、振り返らず
ようやく家のある道まで出てきた時、
誰かが言った。
『あれ、見たよな?』
それはあの時部屋に入ってきた奴の事だろう。
そいつの顔、はっきりとは思い出せない。
きっと思い出さないようにしてるんだろうけど、人間じゃ無かったんだ。
C君がそこで泣き出してしまったから、
一旦家に帰ろうと、そこで解散した。