百もの、語り。
餌置いとくからな。と、
正体不明のペットに声をかけ、
ドアを閉めたふりをして、
こっそりと、覗いていたそうです。
少し待っていると、窓が動きました。
そこから出てきたのは、
人間の、そして恐らく男の腕でした。
その腕はお粥を中へ引き込み、
しばらくすると、再び皿を外に放り出し
それを見たお兄ちゃんは、
そういえば明日の朝も、あれ使うんだ。
じゃあ洗わなきゃな。と、
帰ったふりをしたのを忘れ、
回収しようと、ドアの前に行ったそうです
すると再び窓が動き、
今度そこから見えたのは、
窓を開く手と、男の、顔。
あ、失敗した。
そう思ったお兄ちゃんは
すぐさま自分の部屋へと戻りました。
でもちゃんと、朝ご飯もあげたそうですよ
そんな出来事を話す電話を貰ったのが
お兄ちゃんから来た、最後の連絡なんです
それからもう2か月も連絡が取れなくて。
……お兄ちゃん、どうしてるのかなぁ。
フーッ
20本目の蝋燭が消えました。