百もの、語り。
29.首だけ彼女
僕の彼女、首だけなんです。
首だけって言うか、
首から上の頭部だけなんですけど……
あ、猟奇的じゃないですよ?
ちゃんと、生きているんです。
一体どういう事なのか、
僕もよく解らないんですけど、そういう人なんです。
同じような感じのお兄さんも居るらしいです。
それで彼女、時々泣いちゃうんですよ。
ちゃんと貴方を愛せる体が欲しかったって
でもそんなの、関係無いですよね。
抱きしめられないなら、
その分僕が抱きしめればいいだけで。
ちょっと人とは違うけど、
そんな彼女を愛してるんです。
そう言うと彼女また泣いちゃうんですけど
そこがまた可愛いんですよ!
あ、ただの惚気です!
すみませんね!
さ、消して?
ふーっ!
29本目の蝋燭が消されました。