百もの、語り。
で、ソイツが服脱いだらさ、
背中にでっかい蜘蛛が居たんだ。
「おい、言わないのは悪かったけどさ
刺青駄目なの、常識だろ?」
俺はソイツにそう言ったよ。
だってさ、プールとか
駄目じゃん?
入れる前に知ってそうなもんじゃん?
っていうかソイツ、そういうのに
手を出すようには見えなかったから、
俺も驚いたよ。
でも、もっと驚いたのはその次だね。
「あ、大丈夫、これ違うから」
そのまま入ってっちゃってさ
追っかけたけど、
その時はもうシャワーかけてて。
お湯浴びたらその蜘蛛、
刺青だと思ってたのに、
逃げてどっか行ったんだ。
平面なのは蛙だけで十分だよな。
っていうかさ、知ってたのかよ!
何つけてんだよ!
そうツッコみいれたけど、
ソイツはただ笑ってるだけだった。
……明日も、一緒に行く予定なんだ。
ついてないといいけど。
ふっ
37本目の蝋燭が消えました。