君ハ空ノ上
大夢さんは小さくため息をついた。

「これを…話していいのかわかりませんが…」


彼は静かに話し出した。


「一つの命が失われる時、新たな命が誕生するんです。

戦争などで多くの命が失われても、長い年月のうちに、その分の新たな命が誕生します。」


「じゃあ尚輝は、新たな命が誕生するから死んだ…」


「そうとも言えるでしょう。

そこで、桂木さんが彼の命を救ったとします。

その場合…他の誰かの命が失われることになるんです。」


「…尚輝を救ったら他の人が死ぬ……?」


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