君ハ空ノ上
「大夢さん、天国ってあるんですか?」


「はい。ありますよ。

一番高いところにあるのは神国なんですが、その下が天国です。

天国では、幸せに暮らせます。」


「……もう一度、人生を送れますか?」


「はい。桂木さんには、神から今以上に幸せな人生をプレゼントされると思います。」


「私は、今のままでも十分幸せでしたよ?」

笑いながらそう告げた。


大夢さんは懐中時計を見て


「…あと二十秒です。」

静かに言った。

遠くに、車のライトが見える。


「交通事故…ですね。」


「はい。」

尚輝と同じ死因…

車が徐々に近づいてくる。

「…さよなら、尚輝」

パアァーーーーー

車のクラクションが響いた―。

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