チャリパイ14~最後のサムライ!



世界最強の軍隊を持つアメリカ合衆国を味方に付けようというてぃーだのアイデアは、なるほど、かなり有効な戦略であった。


「よし!そうと決まったら、早速ジョンに連絡しなきゃ……ブタマーンさん、ちょっと電話貸して下さい♪」


これであのブタフィ軍とも互角に、いや互角以上に張り合えるとシチローは嬉しそうに電話口まで歩いて行くが、その背中越しにブタマーンが水を差すような言葉を浴びせた。


「電話は無理だよ、シチロー君」


「えっ?」


ブタマーンの発した言葉に、不思議そうな顔で振り返り尋ねるシチロー。


「無理ってどうしてです?ブタマーンさん、電話停められてるんですか?」


「馬鹿を言うな!電話代位、ちゃんと払ってるよっ!姫が宮殿に連れ戻された時から、ブタフィの命令でこの国は外国との通信手段を一切止められているんだ」


「げっ!本当ですかそれは!」


「本当だよ。電話は勿論の事、メールも郵便も報道も全て軍の許可無しに外国とやり取りする事は禁止されている……違反者は逮捕されるよ」


「ひどい……まるで鎖国ね……」


発案者のてぃーだが眉をしかめる。


そして、それに追い討ちをかけるようにブタマーンが付け足した。


「通信だけじゃ無い。君達も暫く日本には帰れないぞ。姫が日本に逃亡した事から、軍はこの国にいる日本人に特に目を光らせているからな」


ブタマーンの言った事は全て事実であった。


実はシチロー達がブタリア王国に到着したその日も、空港では軍の兵士が厳しく目を光らせていたのだが、それでもチャリパイがノーマークでブタリアに入国出来たのは……


たまたま搭乗したラッカーエアラインの飛行機が墜落するという、奇跡的な出来事に遭遇したからに他ならなかった。


まったく、ほとほと悪運の強い連中である。



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