チャリパイ14~最後のサムライ!
「ブタフィを甘く見ていたな……これじゃあジョンに連絡が取れない」
てぃーだが提案したせっかくの作戦も、ジョンに連絡が取れなくては何にもならない。ぬか喜びに終わった作戦に、チャリパイの四人は再び肩をガックリと落とす。
いつもの宴会騒ぎとは違い、重苦しい空気が部屋中を支配する中、その雰囲気を打ち破るように、ひろきが叫んだ。
「でも、助けるんだよね!」
「当然!イベリコはサムライの助けを求めて遠い日本にまでやって来たのよっ!チャリパイが、そのサムライ魂見せてやろうじゃないのよ!」
ひろきに続いて、子豚が右手の拳を高々と突き上げる。
そんな二人を優しい笑顔で見守るてぃーだ。
そして、イベリコを助ける事で一致団結する、ひろき、子豚、てぃーだの様子を見届けたシチローは、胸ポケットから煙草を取り出すと一服つけながらこう切り出した。
「実は、作戦が無い訳じゃないんだ……」
「えっ?何よシチロー。作戦があるなら勿体ぶらないで早く教えてよ~~」
すぐさまシチローの周りに群がる三人に、シチローは「喜ぶのはまだ早い」とばかりに後を続けた。
「けれど、この作戦を遂行するには準備に相当な労力を要する……四人じゃとても出来ない……ざっと見積もっても百人は必要だよ……」
まだ詳細は明かさないが、シチローの作戦とはかなり壮大な計画らしい。
「百人って……日本でも無いのにこの国でそんなに人集められないよ……シチロー……」
ひろきの言う事ももっともである。
困難な条件に、再び静まり返るチャリパイの四人。
「だから喜ぶのはまだ早いって言っただろ。……百人いても一週間はかかる作業だから、オイラも言うのをどうしようか迷っていたんだ……」
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