チャリパイ14~最後のサムライ!
「よし、ミミガー!早速人集めに出掛けるぞ!付いて来い!」
「わかったよ、とうちゃん♪」
「あ~~ちょっと待って二人とも!言い忘れた事がある!」
勢い勇んで部屋を出て行こうとするブタマーンとミミガーを、シチローが慌てて呼び止めた。
「分かっていると思うけど、この作戦は当日まで絶対に軍に漏れてはならない!その事を肝に命じて行動して下さいね」
「心得た!そこは十分に気をつけよう」
「それともう1つ……その人集めの時、一緒に集めて貰いたいモノがあるんだけど……」
「いいとも。それで、その集めて欲しいモノとは?」
「ダチョウを百羽ほど♪」
「ダチョウ?」
シチローの意外な要請に、ブタマーンの目が点になった。
「ダチョウ百羽がさっき聞いた作戦に必要なのか?」
「うん、重要なアイテムだよ♪」
と、満面の笑顔で答えるシチロー。
いったい、ダチョウ百羽なんて作戦の何に使うつもりだ……
ブタマーンの頭に、一瞬そんな思いがよぎったが、必要というなら仕方がない。
幸いこのブタリアという国では、自家用車が普及していない代わりに、ダチョウに人や荷物を乗せて移動するという事が日常的になっていて、ダチョウを集める事はさほど困難な事でもないのだ。
「わかった!ダチョウ百羽も集めるとしよう!……何ならウチのダチョウも使ってくれ!」
「えっ、ブタマーンさんもダチョウを飼っているんですか?」
ブタリア王国の世帯当たりダチョウ普及率は、95%……ブタマーン家にも一羽のダチョウがいた。
「ああ、裏の小屋で一羽飼っている。名前は…………………………………
………『ハゲタ』っていうんだ♪」
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