チャリパイ14~最後のサムライ!




ブタフィ軍の誇る、二百数十からなる陸軍の精鋭部隊が、一瞬の間にその姿を消していたのだ!


「一体どういう事だ!奴らはどんな攻撃を仕掛けてきたのだ!」


双眼鏡を振り回し喚き散らすブタフィのもとへ、報告の伝令兵が血相を変えて飛んできた。













「落とし穴です!部隊は全員、巨大な落とし穴に落ちて全滅しました!」



「なぁにいぃぃ~~~!落とし穴だとおぉぉ~~~っ!」



シチローが言っていた『百人でも一週間以上はかかる作戦』とは、この事だったのだ。


落とし穴というには、あまりにも巨大な穴。いや、『穴』というよりはもはや公共河川工事ぐらいの規模で掘られた、一直線の横に広がる堀である。


チャリパイとブタマーンが集めた百人を越える仲間達は、見張りの兵にも気付かれないように毎夜中、せっせとこの『巨大落とし穴』を掘っていたのだった。



「や~~い♪引っ掛かった、引っ掛かった~~♪」


子供のように喜び、互いにハイタッチを交わすチャリパイの四人。


「面白いくらいに全員いっぺんに落ちてくれたわね~シチロー♪」


「きれいに横一列に並んでいたからね♪さすがは軍隊、誰も列を乱す奴はいなかったよ♪」


たった四人のチャリパイに対し、圧倒的な力の差を誇示しようとした事が、今となっては徒になってしまったブタフィ将軍。


イベリコに対し、「あんな連中は一分で捻り潰して見せる」と豪語していたブタフィは、結果として一分で自慢の陸軍部隊を全滅させられてしまった。


人一倍プライドの高いブタフィにとって、これは耐え難い屈辱であった。


「ムギューーッ!許さん!アイツら絶対に許さんぞ~~!」



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