チャリパイ14~最後のサムライ!











「奴ら、ダチョウを追いかけていったかな?」


「…………みたいね………」



その声は、地面の下から聞こえた。


ヘリに恐れをなして逃げ出したと見せかけ、実はその瞬間にチャリパイの四人は乗っていたダチョウから飛び降り、あらかじめ掘ってあったすぐ傍の抜け穴へと素早く潜り込んだのである。


「忍法~替わり身の術~~♪」


ヘリ部隊が今、躍起になって追いかけている四羽のダチョウに乗っているのは、チャリパイに見せかけた人形であった。


「まさか、こんなに上手くいくとは思わなかった♪今なら宮殿はもぬけのカラだ♪」


圧倒的な戦闘力を持つブタフィ軍と正面から戦うつもりなど、始めから無い。軍の戦力を宮殿から遠ざける事……これこそが、シチローの立てた作戦の最大の目的であった。


ところで……シチローがブタマーンに集めさせた『百羽のダチョウ』は、一体何に使うつもりなのだろう?



おとりの人形を乗せて走る『ヒゴー』『ジモン』『リューヘー』そして『ハゲタ』四羽のダチョウを、低空飛行で追いかけるブタフィ軍のヘリ部隊。


『生け捕りにしろとの命令だ。どうやって捕まえる?』


『よし、では前と後ろからの挟み撃ちにしよう!俺が半数を率いてダチョウを追い抜き、前方の進路を塞ぐ。残りの半数は、そのまま追尾を続けてくれ!』


『了解!その作戦でいこう!』


ヘリ部隊の間では、無線でそんなやりとりがなされ、部隊の半数のヘリが、速度を上げてダチョウを追い抜いていった。


ダチョウを追い抜いたヘリ部隊は旋回して、ダチョウの前方の進路を塞ぐ。


『準備OKだ!ダチョウをこっちに追い込め!』


『了解!西(左方向)に林がある。そっちに逃げられないように注意しろ!』


『よし、では西に一機配備しよう!………ん、あれはなんだ?』


『あれとは?』




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